未臨界核実験「被爆者の思い踏みにじる」 抗議の長崎、訪問呼びかけ

[PR]

 米国が昨年、未臨界核実験を2回実施していたとの一部報道を受け、長崎平和推進協会(調漸〈しらべすすむ〉理事長)は14日、バイデン大統領とエマニュエル駐日大使に抗議文を送るとともに、5月に訪日する考えを明らかにしているバイデン氏に長崎訪問を呼びかけた。

 抗議文はロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮の核実験再開への懸念に言及し「核使用の現実味が増している中で明らかになった実験は、『長崎を最後の被爆地に!』と核兵器の廃絶を訴えてきた被爆者の思いを踏みにじるもの」とした。

 そのうえで、「被爆地長崎を訪問していただき、核兵器が人類に何をもたらしたのかを知り、核兵器のない世界の実現のためにリーダーシップを発揮するよう」強く求めている。

 同協会の調理事長は取材に、「バイデン大統領には、キノコ雲の下で何が起こったかを見た上で、核兵器使用が取りざたされるウクライナ情勢などを議論してほしい」と話す。

 2016年に広島を訪問したオバマ大統領の副大統領だったバイデン氏は、核兵器の役割を核攻撃対処に限定する「唯一目的化」を近く発表する「核態勢見直し(NPR)」に盛り込むことを模索したが、ウクライナ情勢を受けて断念したと、米メディアが3月末に報道。未臨界核実験も昨年2回実施していたとの日本メディアの報道を受け、長崎市田上富久市長らが13日、抗議文を送っている。田井中雅人

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

核といのちを考える

核といのちを考える

被爆者はいま、核兵器と人類の関係は。インタビューやコラムで問い直します。[もっと見る]