消費される日本描いた映画監督 リム・カーワイさんが占う大阪の未来

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聞き手・武田肇、写真・柴田悠貴
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 マレーシア出身で、「シネマドリフター」(映画流れ者)を名乗って世界各地で映画を撮ってきたリム・カーワイさん(48)は、2010~19年に「大阪3部作」と呼ぶ長編映画を手がけました。いずれも「国際化」した大阪を舞台に日本人とアジアの人々が織りなす群像劇です。訪日外国人が押し寄せるとされる25年の大阪・関西万博で大阪はどうなるのか、聞きました。

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シネマドリフターが見た大阪の未来

大阪を拠点に世界各地で映画を撮影してきたマレーシア出身のリム・カーワイさん。作品で描いた「近い未来」が次々と現実になった映画監督が予言する大阪の未来とは。

 ――10年末に大阪市浪速区西成区で撮影した「新世界の夜明け」が「3部作」の始まりです。

 「きっかけは大阪市の映像文化振興事業、『シネアスト・オーガニゼーション大阪』の助成対象に選ばれたことです。正直、助成金は60万円と笑うほど少ないのですが、中国や香港で映画を撮り続けたぼくが大学時代を過ごした大阪にもう一度目を向けることになりました」

 「きらびやかなクリスマスを大阪で過ごそうとやってきた北京のお金持ちの女性が、大阪でも『コテコテの街』として知られる新世界に迷い込むという物語です。当時は中国人向けの観光ビザの発行要件が緩和された時期でしたが、中国人の個人旅行はまだ一般的ではありませんでした。情報も限られ、中国都市部の若者は、日本をファッション雑誌やドラマを通じてピカピカの先進国として思い描いていた。そんな若者が新世界に迷い込んだら何が起こるのだろうという思考実験のような発想から生まれた作品でした」

 ――俳優のオダギリジョーさんは「ムチャクチャで突っ込みどころ満載の映画」とコメントを寄せました。

 「どて焼きの香ばしいにおいが漂い、缶ビールを持った日雇い労働者が歩くといった新世界の周辺は、外国人があまり足を踏み入れない街でした。そこに古びた旅館を外国人向けゲストハウスに改装してもうけようとする日本人の若者やキャバクラを経営する中国人といった創作を混ぜ込み、多国籍のファンタジックな街として描いたところ、リアリティーに欠けると思われたようです」

 「でも、驚いたことに、数年も経たず映画で描いた世界が現実になりました。日雇い労働者が寝泊まりする安宿が次々とゲストハウスに変容し、中国人女性のカラオケ居酒屋などが林立するようになったのです」

 ――12年末から13年初め…

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