他校に提供します! 文系の野球部員が400時間かけてソフトを開発
山口裕起
試合の日、必需品はグラブやバットなどの野球用具だけではなくなった。球場に向かうバッグの中には、欠かさず、ノートパソコンが入っている。
兵庫県高砂市にある白陵は私立の中高一貫の進学校だ。昨春から試合や練習試合のたび、ノートパソコンを手にした控え部員らがバックネット裏に陣取る。
そのパソコンには白陵独自の分析ソフト「Analys(アナリス)」が入っている。
チームメートのデータをここに集めていく。投手の球種やコース、打者の打球方向や結果などを1球ごとに入力する。鋭い打球なのかボテボテなのか、打球の質など細部にわたり、チェックする。
「データは蓄積されるので、ここから一人ひとりの選手の特徴や傾向が見えてくるんです」
そう説明する主将の田中博土(はくと)(3年)こそが、このアナリスの開発者だ。チームの4番打者で外野手。投手としてマウンドに上がることもある。
田中はもともと鉄道が好きで、各地の駅の時刻表を集めることが趣味という。
「収集癖がある」と自認する…
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