色を取り戻した異国の親友 春物に包まれて口にした 「やっと……」

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宮野拓也
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 東京では桜が開花していた。フリーライター井上榛香(はるか)さん(27)と女性(23)を暖かい春の空気が包む。

 一緒に洋服を選ぶのはいつぶりだろう。

 彼女とは5年来の親友。関西の大学に通っていた夏、大学が企画した留学生とのレクリエーション旅行で、バスの席が隣同士だった。文化も言葉も違うけれど、気があってたくさん話した。彼女の国に留学した時は家族とドライブに連れて行ってくれた。

 買い物にもよく行った。長めのスカートが彼女のお気に入りで、パステルカラーが好きだった。いつも、落ち着いた明るい洋服を着ていた。暮らす国が違っても連絡を取り合ってきた。

 3月下旬、日本に来た彼女と一緒に買い物に出掛けた。彼女は真っ黒の厚手のダウンジャケットに灰色のスウェットのズボン。春の陽気には不釣り合いで、重く、少しやつれてみえた。とにかく早く服を選ばないと。

 店内に入ると、服を選びやす…

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