臨時情報、半数「知らない」 南海トラフ事前予測 高知県が意識調査

今林弘
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 高知県が実施した南海トラフ地震に対する県民の意識調査で、巨大地震の事前予測を伝える「臨時情報」について、「知っている」と答えたのは全体の約2割で、2018年の前回調査時よりも認知度は低くなっていた。県が100%を目指す津波からの早期避難意識率も約7割にとどまり、課題が浮き彫りとなった。

 調査はおおむね3年に1度実施され、今回は昨年7~9月に全市町村の計3千人を対象にし、1779人から回答を得た。「南海トラフ地震臨時情報」は、想定震源域内で巨大地震が起きる可能性が高まった時、気象庁が知らせる。17年に導入され、県内自治体は臨時情報が出た場合の事前避難対象地域の設定など対応を進めてきた。

 だが、今回の調査では「知らない」が49・2%(前回44・4%)、「聞いたことはあるが内容はよく知らない」が28・4%(同29・1%)、「知っている」は20・3%(同23・2%)だった。

 また、避難時期を「揺れがおさまった後、すぐに」と答えた早期避難意識率は70・8%(同68・8%)とやや上昇した。意識率の低下傾向は今回、踏みとどまった形だが、県は「伸び悩みの状況」とみる。

 このほか、旧耐震基準(1981年5月以前)で建設された木造住宅の居住者のうち約7割が「耐震診断を受けたことがない」と回答。診断無料化などの補助事業も3割超が「知らない」と答えた。また、県内で9割を超える組織率の自主防災組織に対しても、「あるかどうかわからない」との回答が約3割あり、参加率は5割を下回った。

 一方、食料・飲料水の備蓄については、3日分以上を備蓄している回答割合が食料36・6%、飲料水36・4%で、前回調査より10ポイント以上増えた。ただ、国が呼びかける「7日分以上の備蓄」は食料が4・6%、飲料水は7・3%にとどまった。

 県南海トラフ地震対策課の黒岩章課長は「地震津波への高い危機意識がなかなか行動につながらない。臨時情報や耐震化の補助事業の周知など啓発活動に力を入れたい」と話している。(今林弘)