ガソリン価格は180円超、全国で最も高い鹿児島 「物流回らない」

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加治隼人
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 ロシアによるウクライナ侵攻などの影響でエネルギー価格の高騰がおさまらない。鹿児島県内のガソリン価格は、11日に全国最高を記録。14年ぶりの高水準となる1リットル180円台で推移している。国際情勢の不安が、身近な生活に影を落としている。

 12日夕、鹿児島市郡元1丁目の「エコスタンド工学部前店」には給油に訪れた車が列を作っていた。他店より安いと評判の店だ。統括マネジャーの中村哲人(あきひと)さん(38)は「3月以降、平日も忙しい日が増えてます」。帰宅途中に立ち寄った会社員の20代女性は「毎日の通勤で使うので、安い店で入れたくて。いつも混んでるので、ようやく入れました」と話した。

 日本エネルギー経済研究所石油情報センターによると、レギュラーガソリンの価格は2020年夏から徐々に上昇。コロナ禍からの世界的な経済回復の動きも見え、原油需要が高まったところに、今年2月のウクライナ侵攻が重なり高騰した。

 県内価格は、輸送費のかかる離島が多いため、もともと全国有数の高値だが、2月下旬に08年以来の1リットル180円台まで上昇。今月11日時点では182・9円(前週より0・5円増)で全国最高となり、国内平均の174・0円(同0・1円減)を大きく上回った。1年前より25円ほど上昇している。

 政府は原油高対策として、石油元売り各社へ1リットルあたり上限25円の補助金を出しているが、それでも国内平均は180円に迫る勢い。中国・インドの経済成長やイラク戦争など中東情勢の悪化を背景に、過去最高値となった08年を実質的に超える水準だという。

 鹿児島市の運送会社、セイコー運輸の鳥部敏雄社長(65)は、「これ以上値上げが続くと、経営も相当厳しい。業界はどこも経営難で、物流が回らなくなるんじゃないか」と訴える。運送料はスーパーや農家など荷主との交渉で決まる。燃料高騰分を転嫁したいのが本音だが、なかなか値上げには応じてもらえないのが実情だという。

 燃料消費を抑えるエコドライブの徹底や荷物の集約による運搬効率の向上といった工夫を重ねているものの、「それでも価格高騰に追いつかない。もう、一般の消費者に商品の値上がりを許容してもらうしか……」とため息をついた。

 県トラック協会は3月末、燃料代の上昇分を運送料に反映する「燃料サーチャージ」に理解を求める文書を、主に県内の団体、企業約1千カ所に送った。

 軽油は1年前より1リットルあたり25円ほど高くなっており、運送料の上昇は避けられないとの判断だという。畜産が盛んな県内では精肉を輸送する業者も多く、冷凍車両を使うため、一段と燃料費が負担になるという地域事情もあるそうだ。

 生産の現場も痛手を負ってい…

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