第46回ミサイル貫通、荒れ放題の家に帰還「家族いつ戻れるか」 キーウ周辺

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イルピン=国末憲人 竹花徹朗
【動画】ウクライナ首都キーウ近郊の「イルピン」。帰還で大渋滞していた=竹花徹朗撮影
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 ロシア軍の地上部隊が撤退したウクライナの首都キーウ(キエフ)周辺で、復興の機運が高まっている。侵攻で大きな被害を受けたイルピンでも15日、避難していた住民の帰還が始まった。ただ、電気や水道の復旧は遅れ、地雷などの危険も残る。課題を抱えての再出発だ。

 キーウと、その北西の郊外都市イルピンとは、松林の中を走る長さ8キロの一本道で結ばれている。15日朝、この道路が車で埋まった。渋滞はキーウ市内にまであふれ出し、延長10キロに及んだ。

 2月から3月にかけて激しい攻撃にさらされたイルピンでは、多くの住民がキーウや他の街に避難。ロシア軍が4月初めに撤退した後は、行政やボランティアらが街路の整備や地雷除去を進め、落ちた橋を復旧。この日から帰還が認められた。住民らは我が家を目にしようと、一斉に故郷を目指した。

 大渋滞の原因は街の入り口の検問。途中で車を投げだし、徒歩で街を目指す人が続出した。

 イルピンで美容院を営んでいたアントンさん(25)、マリーナさん(25)夫妻は、ロシア軍侵攻翌日の2月25日、中部ポルタバ州の親戚宅に避難。この日午前6時にキーウを車で出発したが、渋滞で身動きが取れなくなり、7時から徒歩に切り替えた。10時過ぎ、市境に到着した。「うちはもうすぐそこです」

 ただ、自宅は壊されたと聞い…

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