世襲の多い自民党でも、祖父と父が首相を務めた3代目は1人だけ。党内では、長身で見栄えのする姿に「看板役」を期待する声も多い。ただ、目下の知名度はいま一つ。自ら「最軽量の総務会長」とも評する福田達夫氏(55)とは、いったい何者か。
3月31日午後、衆院本会議場に居並ぶ自民の4役が応酬を交わしていた。話題は、前日初めて開かれた4役の懇親を深める「お茶会」。福田氏が発案し、茂木敏充幹事長(66)が主催した。だが、ペットボトルのお茶が出されたことに高市早苗政調会長(61)が記者会見で不快感を示し、茂木氏は「今度はケーキを出すから」となだめた。
これを受け、遠藤利明選挙対策委員長(72)は「チョコレートケーキがいい」と求めた。高市氏は「私はクリーム系がいい」。福田氏はホットコーヒー、猫舌の高市氏はアイスミルクティーと、飲み物の好みも割れた。あれこれと突きつけられた要求に、茂木氏は言った。「誰がお茶会なんて言い出したんだ」
それから6日後、2回目のお茶会で出てきたのは、クリーム系のケーキとアイスコーヒーだった。高市氏は「幹事長に配慮いただいた」。事務方からメニューを聞いていた福田氏は会合後、周辺に「どうでもいいように見えるかもしれないが、実はこういうのが大事。ふだんから顔を合わせておくことが」と満足げに語った。
自民幹部の「お茶会」を発案した福田氏の狙いは何だったのでしょうか。首相だった祖父・赳夫氏や父・康夫氏を通じて知ったという「恐ろしさ」や、福田氏がいま見据えるものについても記事後半で紹介します。
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1年半前、総務会長になる前の福田氏を地元群馬に訪ね、週末の活動を同行取材しました。単なる挨拶回りでなく地域の人たちと膝詰めで課題を考え、国政にフィードバックさせて何とかできないかと模索する様子が印象的でした。 そこで、首相を務めた祖父
- 【視点】
記事の最後に「まず国民がいて、政治家はそのために何をするのかが問われる。政治家がリーダーシップをとるいう言葉は好きじゃない。ただ、意思決定権者のそばでサポートするのは、性に合っているかな」という福田氏の言葉がありますが、額面通りには受け取