投資は勉強できない…ではアイドルは? 安部若菜と早川夢菜が考えた

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構成・阪本輝昭
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「NMB48のレッツ・スタディー!」 経済編⑤

 人気投資漫画「インベスターZ」にNMB48メンバーが入り込み、経済知識や理解を深める「NMB48のレッツ・スタディー!」経済編。レギュラーメンバーの安部若菜さん(20)に加え、今回は早川夢菜(ゆな)さん(19)が「体験入部」を希望。ともに現役大学生で、経済学を学ぶ共通点がある2人。新年度を迎え、新たに学びたいことは――。(構成・阪本輝昭)

     ◇     ◇     ◇

お客さんの「需要」を先読みしたい! けれど…

安部若菜

 「新年度早々、折り入って相談があるんですけど。実は、私の後輩が……」

財前孝史(道塾学園「投資部」部員)

 「改まって、どうしたの」

神代圭介(道塾学園「投資部」キャプテン)

 「もしかして、後輩を投資部に体験入部させたいとか、そういう話じゃないの?」

安部

 「……よくわかりますね。実は私と同じように、大学で経済学を学んでいる子がNMB48にいるんです。一昨年秋に加入した7期生で、早川夢菜というんですけど。彼女が見学を希望してて……」

早川夢菜

 「……こんにちは」

財前

 「あ、もう着いてたんだ」

早川

 「大学2年生です。最初に経済に興味をもったのは小学生の頃で。家族でハワイを旅行したときに『円高』『円安』といった言葉を耳にして、『へ~、お金の価値って刻々変わるんだ』と驚いて、そこから……」

神代

 「まあ、そのへんはのちのち。つまり、早川さんも投資や経済の勉強を通じてアイドル活動のヒントをつかみたいと?」

早川

 「そうです。経済って『需要』と『供給』で成り立っているじゃないですか。『需要』を先読みするのが、成長企業を見いだすキモなんですよね? お客さんの『需要』を誰よりも早く知るためのヒント。それがわかったら、私のアイドル活動にも、きっと……くっくっくっ」

神代

 「ちょっと、焦らないで。経済が需要と供給で成り立っているのはその通り。同時に、産業には大きく分けて『第1次産業』から『第3次産業』までがあって、それぞれ役割が違う。ふだんの取引相手、つまりお客さん層も異なる。アイドルは何を生み出す『産業』なのかをまずは考えてみたらどうかな」

安部

 「例えば、ゆななんがコンビニで買ってきたそのクリームパン。原材料の小麦を栽培・収穫する第1次産業。食品に加工する第2次産業。商品として流通させる第3次産業。ゆななんの手元に届くまでに様々な産業が関わっているでしょ。業種によって役割が違えば『需要』の中身も異なるし、だから成長性をはかる物差しも一様じゃないわけ」

千差万別なファンの「需要」…どうつかんだらいい?

早川

 「そうか、一概にはいえないんですね。確か、私たちアイドル業は『第3次産業』なんですよね。でも、私たちは元気とか笑顔とか、形のないものをファンに届けるのがメインだから……同じ第3次産業でも、例えばコンビニとはだいぶ違いますよね」

財前

 「ファンがアイドルに求める『需要』って幅広くて、とらえがたいよね」

安部

 「そうなんですよ。最初から完成度の高いパフォーマンスを期待する人もいれば、不器用でも地べたからはい上がっていく泥臭いプロセスを見守りたい人もいる。だから、需要を先読みするのは……無理です!」

早川

 「えっ! じゃあ、アイドルは戦略なんか立てられないじゃないですか!」

神代

 「『インベスターZ』の2巻で僕が言った『投資を勉強しろ。しかし、投資は勉強できない』というセリフを覚えている?」

早川

 「ええ。かなり矛盾した表現でした。でも、その真意は『過去の経験則をいくら学んでも役には立たない。投資で大切なのは、未来を予測する力だ』ってことでしたね」

神代

 「そうそう。移り変わりの激しいアイドル界では、この原理が特にあてはまる」

早川

 「需要を探り出そうとあくせくするのではなく、自ら需要を作り出す力……?」

安部

 「きっと作り出せるよ。ゆななんには最強の資質があるじゃない」

早川

 「えっ、なんですか」

安部

 「寂しがり屋なとこだよ」

早川

 「なんでえ!?」

毎日欠かさず動画配信…それは「ファンが喜んでくれる」から?

安部

 「500日近く、ほぼ毎日夜、(ライブ動画配信サイトの)SHOWROOMを通じてファン向けの配信を続けているでしょ」

早川

 「まあ、根気はある方だし。ファンの人たちが喜んでくれるから……」

安部

 「違うでしょ」

早川

 「えっ?」

安部

 「ゆななん自身が、でしょ。誰よりもファンが好きで、ファンから元気をもらっていて、だから毎日やっているんでしょ」

早川

 「うっ……見抜かれてた……」

財前

 「毎日ってのはすごいね。安部さんもそうしているの?」

安部

 「私、毎日はさすがに……」

神代

 「早川さんの顔をみて、ファンは1日を締めくくるわけか。歯磨きや入浴と同じだね。日常の習慣に溶け込んだアイドル……」

早川

 「たわいもない話ばかりですよ。きょうは何を食べたとか、何をしたとか」

安部

 「たわいもない日常が、今は大事なんだよ。コロナ禍で『日常』が壊れたり変化したりしてしまってさ。『その時間、そこにいけばいる』ことの安心感というのがね」

早川

 「アイドルもファンの人たちも、みんなちょっとずつ寂しがり屋だと思うんです。そう、わかぽんさんもね。だから、アイドルとファンは互いにそんな気持ちを持ち寄って成り立っている関係性だとは思います。私自身、毎日配信でそうした思いを満たしているところはあるのかも知れない」

無理は続かない…「好きなことを武器にする」強み

安部

 「会社経営でも同じだと思うけど、無理は続かないんだよ。私でいえば『落語』や『ゲーム』が本当に好きだから、それをアイドル活動の幅を広げる武器にしているけれど、そんなに得意じゃないジャンルもある。そこは、本当に得意な人に任せたいなと思うわけ」

財前

 「だから、本当に好きなことを続けている早川さんは強い、と……」

神代

 「新たな需要を作り出した、ともいえるんじゃない?」

早川

 「私、NMB48に入る前にも、小6からローカルアイドルとして4年間活動していた時期があって。アイドルへのあこがれというより、何か『私はアイドルにならないと生きていけない』という切羽詰まった心情に突き動かされてきたところがあるんですよね。待遇面でいえば、ローカル時代は今ほど恵まれてはいなかったけれど、それでもファンの人たちがいたから続けられたんです」

安部

 「その気持ち、ちょっとわかる」

早川

 「そう。だから私、NMBでは若手だけど、アイドルとしては老舗企業なんですよ。だからこそ、現状には満足していないんです。さらなる飛躍のヒントを得るために、勉強させてください!」

     ◇     ◇     ◇

ミヤウチ先生のかんたん!経済講座 「実体経済」ってなんだ?

 私たちは日々の暮らしの中で買い物をし、必要なものを手に入れています。この活動を「消費」といいます。その背後にはそれらの商品を作り、商品を販売して消費者のもとへ届けるといった企業の活動が存在します。そこで、今回は「生産-流通-消費」のつながり(実物経済・実体経済)をみていきましょう。

 まずは「生産」です。生産とは、人の需要を満たすために、販売するための商品を作ったり、サービスを提供したりする活動です。何を作るのかによって、生産者は、第1次から第3次までの産業に分類されることがあります。

 第1次産業とは、自然界に働きかけ富を得る産業のことです。米、野菜、果物などの農作物や肉、卵、乳、毛、皮などの畜産物を対象とする農業、魚介類を対象とする漁業、木材を対象とする林業、石油・天然ガス・貴金属などの鉱物資源を対象とする鉱業などが該当します。

 第2次産業は、第1次産業で得られたものを原材料として加工し、製品を作り富を得る産業のことをいいます。食品、衣服、家具、薬品、家電製品、自動車、化学工業品などをつくる製造業や、建物、道路・橋などをつくる建設業が含まれます。

 第3次産業とは、具体的な形をもたないものも含むサービスを提供し、富を創造する産業のことです。

 具体的には、テレビ・新聞などメディアによる情報提供、映画館での作品上映、電話やインターネットの通信サービス、電車やバスなどによる輸送、ホテルでの宿泊、銀行や保険といった金融サービス、電気・ガスの供給などが挙げられます。

 「流通」もここに含まれます。流通とは、生産者が作った商品を消費者のもとへ提供する流れを担う活動のことです。

 その担い手は小売業者と卸売業者です。

 小売業者とは、生産者あるい…

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