太平洋戦争開戦の当日、北海道帝国大学(現・北海道大学)の学生だった宮沢弘幸さんらがスパイ容疑で逮捕された冤罪(えんざい)事件「レーン・宮沢事件」。その記憶を語り継ぐため、ゆかりのある北大の敷地内に、事件を伝える案内板の設置を求める市民発の動きが始まった。「ここに何があり、何が起きたのかを伝えるモニュメントを残したい」。関係者を動かしたのはそんな思いだ。
案内板の設置を求めているのは、事件の調査や語り継ぐ活動を続ける市民団体「宮沢・レーン事件を考える会」(札幌市)。設置場所は、宮沢さんとともに逮捕された米国人教師レーン夫妻が生活した外国人教員官舎跡で、今後、北大に申し入れる予定だという。