保育中に失われた5歳の命 過去の事故でも繰り返された「見落とし」

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中井なつみ、田渕紫織
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 広島市立の認可保育園で、保育中に行方が分からなくなっていた男児(5)が、近くの川岸付近で見つかり、死亡が確認された。

 男児は直前まで保育園の園庭で遊んでいたといい、どうやって外に出たのかなどの詳細はまだわかっていない。園の敷地は植え込みに囲まれているが、隙間が複数ある。一部は植え込みの内側にネットも張られている。

 保育問題に詳しい専門家によると、過去の保育事故でも、同様に、園児を見失う時間があった状況で引き起こされたケースが多数ある。また、年度が替わったばかりの時期はリスクが高いという。防ぐためには、何が大切なのか。

猪熊弘子さん「『見えない』はあってはならない」

 保育事故にも詳しいジャーナリストで、現在は認可保育園の副園長でもある猪熊弘子さんは「保育中に子どもが『見えない』となるのは、絶対にあってはならない話」と指摘する。

 子どもを預かる施設で、活動の場面が変わるごとに人数確認をすることは、「基本中の基本」だという。

記事後半では、猪熊さんが過去の保育事故との類似性を指摘します。「保育園を考える親の会」顧問の普光院亜紀さんにも、行政や保護者が明日からできることを聞きました。

 これまで保育園で起きた重大事故のうち、こうした「子どもを見失う時間があった」状況で引き起こされた事例は多くあるという。

 猪熊さんは、2018年に長…

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    仲村和代
    (朝日新聞デジタル機動報道部次長)
    2022年4月19日13時14分 投稿
    【視点】

     男児がどうやって園から出たのかなど、詳細はわかっていない部分も多いですが、いまわかっている範囲でも、過去の保育事故に通じる部分があります。子どもは予想外の動きをするもの。保育士が「見ている」ことは基本ではありますが、人の力だけに頼るのでは

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