ありがとう飛行船 ぎりぎりで救えた命、あの青空を飛んでくれたから

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小川聡仁
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 月曜日の昼下がり、神戸市東灘区の家電量販店。屋上にあるだだ広い駐車場には、車は1台もなかった。今ここにいるのも自分だけ――のはずだった。

 店舗1階の倉庫で働く中村藤夫さん(75)は今月4日、修理したDVDレコーダーのテストのため、テレビをつけていた。

 番組では、ビールの宣伝で商品名などをあしらった紅白色の飛行船が、神戸空港を飛び立つ様子を中継している。

 店から空港までの距離は9キロほどと近い。一目見たいと、店舗3階にあたる屋上駐車場へ上がってみることにした。

 がらんとした屋上から空を見上げると、既に飛行船がふわりと浮かんでいた。「あ、見えた」。青空に紅白の船体が映え、きれいだった。

 その直後だった。

 視界の端に、人影が映り込んだ。50メートルほど先で、高齢の男性がうつむきながら歩いていた。

 気になって見ていると、男性…

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