日産の勝負EVアリアに記者が試乗 「上質な走り」は心地よいけれど

有料記事

千葉卓朗
[PR]

 電気自動車(EV)の新型車の発売が相次ぐ「普及元年」の今年。EVのパイオニアを自負する日産自動車が満を持して投入する新型EVが「アリア」だ。「走って300メートルで魅力がわかる」と日産がPRするアリアに試乗し、その実力を体で感じた。

 アリアは5月12日に発売予定。全長4・59メートル、全幅1・85メートル、全高1・65メートルのSUV(スポーツ用多目的車)で、販売台数が最も多い車両サイズ「Cセグメント」に分類される。中核市場のCセグメントに投入するアリアを、日産はEVの「旗艦モデル」と位置づける。

 量販グレードの「B6」は、電池容量が66キロワット時で、航続距離は最大470キロ(国際的な測定方法のWLTCモード)。価格は税込み539万円だが、国から最大92万円の補助金が出るため、実質は400万円台となる。

 日産はアリアの特長として「乗る人すべてが感動する上質な走り」を掲げる。加速が非常になめらかで、車内は「圧倒的な静けさ」を保つという。設計を工夫し、車内空間も広げた。開発責任者の中嶋光・車両開発主管は「走って300メートルで魅力をわかっていただけます」。

業界取材歴2年半にして、EV初運転

 自動車業界を取材してきたこの約2年半、記者はEVに関わる記事を何十本も書いたが、EVを運転したことはなかった。以前は自動車にそれほど興味もなく、新車を買った経験もなかった。これまで買った中古車はオペルのステーションワゴンとスズキのハッチバックで、それぞれ2~3年乗って手放した。

 この2年半は取材で様々な車に試乗したが、車種ごとの「乗り味」の違いがわかるほど感覚が洗練されたわけでもない。自動車メーカーは「運転のワクワク感」や「意のままに操る感覚」といった言葉で運転の感覚を表現するが、正直に告白すると、いま一つピンと来ない。

 そんな状態で、初EVのアリアに乗った。場所は羽田空港周辺、時間は約30分だ。

 運転席に座ってまず感じたの…

この記事は有料記事です。残り2578文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません