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障がい児「広告モデル」事業、絶望から立ち上げ 「炎上」の懸念に…

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高橋健次郎
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 内木美樹さん(39)の長男、尊(たける)君(8)は約5年前、重い知的障がい、自閉症と診断された。

 目の前の景色が色を失った。戸惑い、絶望した。障がい児を育てる別の親からは「我が子をかわいいと思えない」とも打ち明けられた。

 何年も思い煩った末、知的障がい児の「広告モデル」事業を昨年7月に立ち上げた。

 「キッズモデルの知的障がい児版」と位置づけた。

 所属モデルは現在、0歳から18歳まで19人。これまで、フォトスタジオやトランポリン施設などから依頼があった。

 尊君が生まれる前は、米国のカジノホテルのレストランで接客の仕事をしていた。帰国後の2010年、得意の英語を生かし、飲食店向けの英会話レッスンを手がける「華ひらく」をおこした。「広告モデル」事業もこの会社で展開している。

「見えない存在」になっている

 障がい児は「見えない存在」になっているのではないか。そんな危機感があった。

 障がい児の親とつながる中で気がついたことは、障がい者をとりまく世界と健常者の世界には「ガラスの壁」があるということだった。

 障がい児の親は、健常者の世界を意識せざるを得ない。社会の多くは、健常者仕様だからだ。

 「一方で、健常者側からは、障がい者を取り巻く世界がよく見えていないと思うのです」

 ならば、見える存在に――。そう考えた上での実践が「広告モデル」事業だった。

「炎上」を警戒する企業

 実績を作りつつ、積極的に営業も重ねている。

 まず見定めたのが、大手の企業。経営者が障がい者支援を強く打ち出したり、「誰一人取り残さない」とうたうSDGsへの取り組みを強調したりする会社に絞った。

 「障がいのある人も、家族も、企業にとっては顧客。障がい児のモデル起用は、企業がファンを広げる機会にもなるはずです」

 そんなプレゼンをした。

 だが、少なくない企業が「炎上」を懸念した。

 企業の担当者は「障がい者を…

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