関東大震災後に止められなかった惨殺 森達也さんが映画化に挑む理由

有料記事

編集委員・北野隆一
[PR]

 1923年の関東大震災直後、デマを真に受けた人々による朝鮮人の虐殺が相次ぎ、日本人も犠牲になった。香川県から来た被差別部落出身の行商人ら9人が千葉県で殺された「福田村事件」だ。この事件を題材にした劇映画を、映画監督の森達也さんがつくる計画が進んでいる。震災から100年となる来年9月の公開をめざし、今月15日から製作資金を募るクラウドファンディングが始まった。

 福田村事件は震災発生5日後の23年9月6日に起きた。千葉県福田村(現野田市)で、香川県から来た薬売りの15人のうち、妊婦や幼児を含む親子ら9人が福田村などの自警団に殺された。

 当時、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言飛語を真に受けた人々が、朝鮮人を殺傷する事件が各地で相次いでいた。福田村では聞き慣れない讃岐弁を話す一行が朝鮮人と間違われた。警察官に「日本人だ」と言われても、納得しない自警団らにとび口や猟銃で襲われて惨殺され、遺体は利根川に流されたという。

 森さんは20年ほど前に新聞…

この記事は有料記事です。残り414文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(春トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料