保育士が大量退職し「休園」→子どもは全員、別の園へ 東京都足立区

中井なつみ、田渕紫織
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 東京都足立区の私立認可保育園で、ほぼすべての保育士が昨年度末までに退職し、新年度から子どもたちの受け入れを停止していることが、19日までに分かった。通っていた園児たちは、区が別の認可園に転園させたという。

 区によると、この園は、社会福祉法人が運営。定員70人で、0~5歳児が在籍していた。

 同園では正規と非正規を合わせて24人の保育士らが勤務していたが、そのうちの23人が昨年度末までに退職した。このため、昨年度末に卒園する5歳児クラスをのぞいた0~4歳児クラスの53人を、新年度から区内15の認可保育園にそれぞれ転園させた。

「園長との信頼関係が築けなくなった」

 区は、複数の保育士らが退職の意向を示していることを昨年8月、法人側からの報告で把握した。区は法人に対し、保育士の慰留や新規の採用を呼びかけていたが、人員確保のめどが立たず、10月に新年度からの運営を休止する方針を保護者に伝えた。入園募集も停止したという。

 区の担当者は「保護者や子どもに大きな負担をかけてしまい、申し訳ない。認可園が安定的に運営できるようなサポートは続けていきたい」と話す。区が保育士らに聞き取ったところ、「園長との信頼関係が築けなくなった」などの声があがっていたという。

 同園の園長は取材に対し、昨年度に入り、休職、退職する職員が相次いだこともあり、「保育士の業務負担が増えてしまっていたかもしれない。経営者として、環境を用意できなかった」と説明。保育士の採用については、「まさか、ここまで難しいとは思っていなかった。短期間のうちに周辺にたくさんの園ができ、競争が激しくなった」と話した。(中井なつみ、田渕紫織)