最高裁が「裁かれる側」に 裁判官の国民審査、海外でなぜできない?

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根岸拓朗
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 最高裁裁判官国民審査をめぐり、海外に住む日本人が投票できないのは憲法違反かが争われた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は20日、原告と被告の国の双方から意見を聞く弁論を開いた。一、二審は違憲としており、大法廷の判断が注目される。

 国民審査は衆院選に合わせて実施され、「やめさせるべきだ」が有効票の半数を超えた裁判官は罷免(ひめん)される。今回は2017年に在外投票できなかった5人が提訴した。

裁判官を信任する意味とは

 この日の弁論で原告側の吉田京子弁護士は「内閣が任命する最高裁裁判官が独立して役割を果たすには、任命が適正かを国民が直接判断する手続きは欠かせない」と主張した。法壇に並ぶ15人の裁判官に「海外在住の人が審査に参加していない中では、皆さんは正式な信任を得ていない」とも語りかけた。

 弁論の最後には、友人から国民審査について「どうやって判断したらいいの?」と聞かれ、判断の参考になるように裁判官の経歴を紹介した時の様子を振り返った。「宇賀克也裁判官はもともと研究者で、たくさん反対意見や個別意見を書いている」「岡村和美裁判官は弁護士と検察官を経験していて、ハーバードに留学したこともある」

 そのうえで「海外にいる人たちもこうした民主主義のための対話に加われるようにしてください」と結んだ。

国「用紙が用意できない」

 一方、国側は「議会制民主主義の元で不可欠の制度とまでは言えない」と反論した。国会に信任された内閣が裁判官を任命・指名しており、国民審査は民主的なチェック方法として「補完的なものにとどまる」と述べた。

 審査は裁判官名が印刷された投票用紙に「×」をつける方式だ。国側はこの用紙を「限られたスケジュールで世界各地に送り届けるのは難しい」とも主張した。原告は×印ではなく投票者が自分で裁判官名を書けばいいと主張し、高裁もこれを支持したが、国は従来の主張を繰り返した。(根岸拓朗)

繰り返された警告を無視し続けてきた国の対応を振り返ります。

■まずは国政選挙の在外投票で…

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