マリウポリに人道回廊、ウクライナとロシアが合意 10日ぶり脱出へ

有料会員記事ウクライナ情勢

根本晃、ワシントン=清宮涼、パリ=青田秀樹
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 ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリの完全制圧を目ざすロシア軍は、製鉄所に立てこもるウクライナ兵に対し、20日に投降するよう呼びかけた。製鉄所は市民のシェルターにもなっている。市民を避難させる「人道回廊」の開設も決まったが、成否は不透明だ。ロシア軍が攻め込む東部と、2014年に併合したクリミア半島とを結ぶ位置にある同市の情勢が今後の戦況に大きな影響を与えるのは確実だ。

 ロシア軍は、マリウポリを包囲し、市街地の大半を占拠している。ウクライナ兵は、旧ソ連時代に建設され、東京ドーム200個分以上の敷地を擁する製鉄所「アゾフスターリ」に立てこもっている。市民も退避している。広大な地下空間は市内の他の施設とつながり、その複雑さが攻略を難しくしているという。

 ロシア国防省は19日夜、モスクワ時間の20日午後2時(日本時間午後8時)からと時間を定め、武器を置いて投降した兵士に命の保証をすると約束した。投降の要求は3度目で、ウクライナ政府が市民を「人間の盾」にしていると主張し、「予測された悲しい結果に対し、完全に無責任だ」と非難した。

 ウクライナメディアによると、製鉄所にこもる元義勇軍「アゾフ連隊」の幹部は19日、ロシア軍が「超強力な爆弾」を投下し、多くの人ががれきの下にいると話した。アゾフ連隊がSNSに投稿した映像は、衣類や毛布が散らばり、洗濯物がつるされた地下シェルターを映し出す。マリウポリのアンドリュシチェンコ市長顧問は19日、女性や子どもらが最大2千人こもっているとし、「まともな飲料水も食料もない」空間で2カ月近くも暮らしているとSNSで訴えた。

 ウクライナのベレシュチュク副首相は20日、マリウポリから市民が避難する「人道回廊」を同日午後に開設することでロシア側と合意したとSNSで発表した。ウクライナのニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」によると、同市から市民が脱出する機会を得るのは約10日ぶりという。

 英国防省は19日夕、ロシア…

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