米軍実弾訓練、映像に刻む 高見剛さん記録映画制作中

倉富竜太
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 日出生台演習場(大分県由布市玖珠町九重町)で米海兵隊による実弾射撃訓練が始まった16日。演習場の前で、一人の男性が2台のカメラを三脚に据えて、訓練開始をじっと待ち構えていた。

 写真家で、由布院空想の森美術館の高見剛館長(71)=別府市天間=だ。米海兵隊が初めて日出生台で訓練を行った1999年から、訓練期間中は連日、演習場近くに陣取って訓練の様子を撮影している。16日はファインダーから155ミリ榴弾(りゅうだん)砲をとらえて、「砲身が上を向いたから、もうすぐ撃つはずだ」。息を凝らしながら砲弾が放たれる時を待った。

 今回の訓練は、今までになく激しい訓練になると予想している。過去最大規模の約320人が参加し、偵察用ドローンや高機動ロケット砲システムも初めて持ち込まれたからだ。ところが米軍は、悪天候による準備の遅れや新型コロナ感染防止を理由に、従来は参加していた住民や報道機関向けの説明会に出席せず、訓練そのものの公開もとりやめた。

 高見さんは、米軍のそんな対応を嘆く。「ウクライナでは、一般市民が逃げ惑い泣きわめいている姿が日々テレビに映し出されている。ここ日出生台は訓練だけれど、実弾でそういう人殺しの練習をしているということ。風景はのどかだが、やっていることは非常に悲しい」

 高見さんは、これまでに撮影した動画や写真、収集した記録類を使って、米軍実弾訓練の記録映画を制作しており、8割ほどできあがっているという。今年の「ゆふいん文化・記録映画祭」で上映したいと思っている。

 ファインダーをのぞきながら語った。「戦争のための訓練はなくなってもらいたい。人間は何千年も戦い続けてきて、みんなが苦しい思いをしている。それなのに、なんで戦わないという知恵が生まれてこないのか不思議でならない」(倉富竜太)