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小2男児がヘアドネーション 「病気の子に」同級生に話した思い

森直由
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 病気の治療などで髪に悩みを持つ子どもたちへの「ヘアドネーション」(髪の寄付)のため、小学2年の男の子が3年近く伸ばした髪を切った。医療用ウィッグ(かつら)として役立ててもらう。「いっぱい伸ばしたら、多くの子にあげられるので、また伸ばしたい」と話していた。

 髪を切ったのは兵庫県神戸市東灘区の中嶋琉唯(るい)さん(7)。もともと髪が長かったが、2020年春から始まったコロナ禍の自粛生活の中、美容院に行けなくなり、さらに伸びた。小学5年の姉(10)がヘアドネーションのために伸ばしていたことや、海外の男の子がヘアドネーションの活動をするネット動画を見たことで興味を持ち始め、「自分も伸ばそう」と決めた。

入学後、髪結ぶゴム外されたことも

 昨年4月、小学校に入学後に、同級生の男児から「おんな」と言われたり、髪の毛を結んでいたゴムを外されたりしたこともあったという。担任教諭を通じて耳にした母親の舞さんは、「本人は言わないけれど、つらい思いをしているのではないか」とも考えた。

 「いつでも切っていいよ」。舞さんは何度も確認したが、そのたびに琉唯さんは「切らない」と答えたという。「かっこいいし、これまで頑張って伸ばしてきたから」

 同級生に「伸ばしてどうするの?」と聞かれたこともあった。「病気の子どもにあげる」と答えると、「すごいね」と言われた。友達のお母さんから「似合っているね」「髪がきれい」と言われて、うれしかったこともあった。

 19年夏ごろから伸ばした髪の毛は、長さ約50センチに。ヘアドネーションの必要最低限とされる31センチを超えたため、切ることを決めた。

 今月17日に市内の美容院で、約32センチをカット。髪は医療用ウィッグを子どもたちに無償提供している大阪市のNPO法人「JHD&C(ジャーダック)」に送った。ジャーダックによると、寄付全体の約98%が女性からで、男性からは約2%にとどまるという。

 琉唯さんは「ウィッグを受け取る子どもが、喜んでくれたらいいな」。舞さんは「微力でも誰かのために何かができたことは、本人にとって自信になったと思う。ヘアドネーションのために髪を伸ばしている男の子もいることを、多くの人に知ってほしい」と話した。(森直由)