一力遼、鮮やかなカウンターで決めた頂上決戦 井山裕太と本因坊戦

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大出公二
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 およそ10年ぶりとなる囲碁界の覇者交代劇が始まったのか。一力遼の勢いが止まらない。長らく頂点に君臨する井山裕太の棋聖10連覇を阻止し、今度は井山の史上最多の本因坊11連覇を阻止すべく、再び挑戦者に名乗りを上げた。10回目となるふたりの番勝負は、棋聖VS.名人本因坊の頂上決戦となる。

 第77期本因坊戦毎日新聞社主催)の挑戦者レースは、一力がゴール間際に首位をゆく余正麒をハナ差でかわした。挑戦者決定リーグ戦で開幕6連勝と疾走していた余は、3月の最終戦で芝野虎丸に敗れた。昨年12月に余に負けてから星一つ差で追っていた一力は、土壇場で追いついた。4月4日、ともに6勝1敗で迎えたプレーオフは、一力の勢いが余をのみ込んだ。

 そのハイライトが実戦図。下辺から始まったねじり合いは中原になだれ込み、抜き差しならない局面で余が▲と割り込んだ。続いて白2には黒7、白6、黒3、白Aと換わって黒Bの切りが強烈。左上隅に配した黒石が効いて白C以下Eのシチョウが成立せず、この黒石は取られない。白の一団はバラバラに寸断される。

 余はこれを決め手にするつも…

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