古くなってほしい、自分の漫画 新生賞の谷口菜津子さんに聞く

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聞き手・黒田健朗
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 宇宙からの留学生がいる世界を舞台に、特別な存在になりたい少女らが登場する「教室の片隅で青春がはじまる」と、恋愛に対して異なる考え方を持つアラサー女性2人が同居する「今夜すきやきだよ」。漫画家の谷口菜津子さん(33)は、生きづらさからの解放を描いた両作で第26回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の新生賞を受賞した。「『生きづらっ』と思った時に描きたいことを思いつくかな。常識に縛られて苦しんでいる人の役に立つようなものを作りたい」。自身の経験も反映させたという作品への思いを語った。

「教室の片隅で青春がはじまる」あらすじ

 主人公になりたい吉田まりもとある夢を持つ宇宙人のネル。でこぼこなふたりの友情関係を描いた、青春・オムニバスストーリー。

「今夜すきやきだよ」あらすじ

 恋愛体質のあいこと恋はピンとこないともこ。結婚観の違うアラサー女子の期間限定ふたりぐらし。普通の結婚ってなんだろう?

 ――受賞をどう受け止められましたか。

 あまり賞に詳しくなくて、最初は何だろうと思ったんですが、HPを見ているうちに、私はすごい賞をとってしまったとどきどきしてきて。とにかくうれしかったです。賞とは無縁な人生を送ってきたので衝撃的でした。

 ――手塚治虫さんの名を冠する賞です。

 (年季の入った手塚治虫著「マンガの描き方」を大事そうに取り出して)子どものころ、本棚にこの本があって。母の本だったんですが、絵本みたいな感覚で何回も何回も読んでいました。私の中でつながっているんだろうなと思いました。

柔らかな筆致で生きづらさからの解放を描く谷口菜津子さん。記事後半では作品にも反映されたという子ども時代や結婚後に感じた疑問や、基礎を学んだという「ONE PIECE」のある場面などについて語っています。

 ――「教室の片隅で青春がはじまる」執筆のきっかけは。

 作家を目指しているわけでも…

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