プーチン氏止める署名は無意味? 前広島市長があきらめない理由

有料記事核といのちを考える

聞き手・長富由希子
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 前広島市長秋葉忠利さん(79)は今年2月27日、テレビを見ていて、肌寒さを感じた。

 ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領が、核戦力を含む軍の戦力を特別態勢にするよう命令したという。

 被爆した広島や長崎の惨禍が頭に浮かんだ。

 「なんとか、止めないといけない」

インターネット署名を始めた

 2日後。プーチン大統領らに、核兵器を使わないように訴えるインターネット署名を始めた。

 広島市原爆ドーム前を流れる元安川のそばに立ち、SNSに投稿するための動画撮影でこう呼びかけた。

 「この川には、やけどを負い、水を求めて入って、そのまま亡くなった方々の亡きがらがたくさん流れていた」

 「こんな思いをほかの誰にもさせてはいけないんだ。被爆者たちはそう決意して、今、全力で活動しています。絶対に核は使わないと宣言してください、プーチン大統領」

 当初は、秋葉さんの知り合いの署名が多かった。次第に知らない人が増えた。

プーチン大統領に手紙を書いた

 5万人分の署名が集まった時、プーチン大統領あてに英語で手紙を書き、東京の在日ロシア大使館に送った。

 「核兵器を使えば、その惨禍はインターネットで流され、あなたは非人道的で凶悪な人物だと未来永劫(えいごう)、記録される」との趣旨をつづり、核兵器の使用を思いとどまるよう求めた。

 被爆地・広島出身の岸田文雄首相あてにも、プーチン大統領らに「被爆の実相を伝え、『核を使わない』と宣言するよう働きかけてください」との手紙を送った。

 英語版の署名サイトも作った。

 すると、英語でこんなコメントが寄せられた。

 「署名はするけど、ばかげている。世界のリーダーたちが止められないのに、署名が止められるわけない。現実的になろう」

「署名なんてばかげている」 そんな言葉を向けられた前広島市長の秋葉さんはどう受け止めているのか。記者は、広島へ向かいました。そこで聞かされた意外な言葉は。

 ロシアのウクライナ侵攻後…

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