「チ。」魚豊さん 僕は独力のやつ でも万能な原理とは思わない

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聞き手・黒田健朗
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「チ。―地球の運動について―」魚豊さんインタビュー<後編>

 中世ヨーロッパを舞台に、異端とされた地動説の研究に命がけで挑む人びとをフィクションで描いた魚豊さん(24)の漫画「チ。―地球の運動について―」が第26回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)のマンガ大賞を受賞した。24歳でのマンガ大賞受賞は、手塚治虫文化賞史上最年少だ。「チ。」は今月18日に雑誌連載が終わり、完結したばかり。インタビュー後編では、作品がロシアのウクライナ侵攻など現在の社会情勢と重なっているとの指摘への受け止めや、最終盤にあのキャラクターが登場した理由、次回作の構想などについて語ってもらった。(物語の展開に触れる部分があります。ネタバレ注意です)

 ――クイック・ジャパン(vol.159、太田出版)のインタビュー記事で、スタンドアローン(孤立的な知)とコンプレックス(集合的な知)について語っています。

 その二面性を描きたいと思っていました。

 僕は元々自分一人でやるのが好きなタイプというか、部活にも入ってないし、漫画家志望の友達とかがいた訳じゃない。そもそも今でも地元の友達とか高校の友達の大半には漫画家であることを言ってないのですが、まぁ、それはいいとして、独力で引きこもって誰の影響も受けたくないってタイプでした。当然、協力とかコラボレーションもしたことがありませんでした。

 それと同時に、僕の学生時代はSNS時代というか、意見を言うのに媒介がいらないみたいな感じになって、ピアツーピア(※Peer to Peer、インターネット上で、サーバーを介さず情報を端末同士で交換する技術)で個人でやればいいじゃん、というような時代でした。

 「マスメディアじゃなくて、個人の時代だ!」みたいな。もちろん、思想的にはずっと前からあるんでしょうが、それこそ高校ではみんなiPhone使ってたり、YouTuberとかインフルエンサーって言葉を聞くようになったり、物理的に実践できる下地が整い出して、実例が出てきた頃だったと思います。

記事後半では、あるキャラクターを最終盤に登場させた狙いや、連載を終えてプールに通っているという最近の日常、今後描きたい作品などについて語っています。

 さっきも言ったように僕は独…

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