もう来年のランドセル選び? 過熱に戸惑い 親はどう向き合えば
「もうランドセル決めた?」。この春、娘が保育園の年長児になった記者。保護者の間で話題になることが増えてきました。聞けば、ランドセル選びは「ラン活」とも呼ばれ、すでに購入している人も多いのだとか。まだ入学まで1年もあるのに……。驚いて取材を始めました。
まずは、周囲のラン活経験者に話を聞いてみた。「遠方の工房も含め数軒回った」「凝ったデザインのものを欲しがり予算を超えてしまった」「親の薦める色と子どものほしい色が折り合わなかった」「まだ体が小さく、試着を嫌がった」といった苦労を経験していた。
「少子化にもかかわらず、ランドセル市場は拡大傾向です」。ニッセイ基礎研究所上席研究員の久我尚子さんはそう指摘する。
購入金額は年々上がっている。業界団体のランドセル工業会の調査によると、平均購入金額は2011年の3万6500円から21年には5万5300円に。検討を始めた時期も早まっており、18年の調査では4~8月に分散していたが、21年には、入学前年の4月という回答が最も多く、次に前々年の12月が多かった。
総務省の家計調査をもとにした久我さんの調べでも、購入のピークは2005年~07年には1~3月だったが、19年~21年は6~7月に早まっていた。
久我さんが指摘するのが、「シックスポケット」と言われる現象だ。両親と両祖父母の六つの財布から、1人の子どもにモノが与えられることを指す。少子化で祖父母が孫1人にかける金額が上がっていることが考えられるという。
「最近は未婚のおじおばまで出資するケースもあると聞きます。子育て世帯の懐事情は厳しい一方、周りの援助が得られるランドセルではぜいたくを、という傾向があるのでは」と指摘する。
記者が子どもの頃とは様変わりしたランドセル選びだが、親としてどう向き合ったら良いのだろうか。
「『早く買わないと売りきれ…