ランドセル購入額、10年で1万9千円上昇 過熱する「ラン活」
翌春の小学校入学を控える子どもたちを対象にしたランドセル商戦が、大型連休ごろから本格化する。最近はランドセル選びが過熱気味で、時期が早まり、値段も上昇。平均購入金額は、この10年で約1万9千円も上がったという。
業界団体のランドセル工業会が毎年、新入学する子どものいる保護者を対象に行っている調査では、2021年の平均購入金額は5万5300円。11年は3万6500円で、10年で1万8800円高くなっている。
ランドセル購入に向けて動き出す時期も早まっている。21年の調査では、入学前年の4月に購入の検討を始めたという回答が最も多く、次に前々年の12月が多かった。18年の調査では前年4~8月で分散していた。
ランドセルを選ぶために店舗を巡ったり、カタログを取り寄せたりすることは「ラン活」とも呼ばれる。ランドセル工業会の林州代会長は「『早く買わないと売りきれる』という口コミが広がり、ラン活へ動き出す時期はどんどん早まっている」と話す。
商品も多様化しているほか、少子化の影響で高い価格帯のランドセルが選ばれる傾向は強まっているという。小学生の荷物が増え、ランドセルが大きくなっていることも価格が上がる要因という。(松本千聖)
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- 【視点】
ラン活に限らず「○活」という言葉を使うべきかどうか、よく考えるべきだと思います。婚活が象徴的ですが、おおむねその対象者に対する「煽り」として作用するからです。自分の購入したいランドセルに関して、「早く買わないと売りきれる」というのがどれぐら
- 【視点】
ランドセルはジェンダーレス化の象徴の一つで、いまや多様なカラーがそろえられています。一般にどれを買うかまでは指定されていないので、各家庭で自由に手頃なものを買えばよいことになっています。ところが実際には、高額であり、そのうえ購入額が上昇して