高級ランドセル、子どものため? 責任あいまいな「隠れ教育費」

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松本千聖
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 小学生のランドセルの購入価格が、じわじわと上がっています。購入や検討時期も早まり、入学の1年以上前から「ラン活」に励む人も。ランドセルに限らず「小学校ではお金がかかる」という話はよく聞きます。

 中学校の指定かばんなら1万円以下のところもあるのに、なぜこんなに高いものを買うのが前提になっているのか。体形が変化する6年間に、同じものを使い続けることが本当にいいのか。

 「隠れ教育費」の共著があり、学校教育の私費負担に詳しい千葉工業大准教授の福嶋尚子さんは、この傾向に疑問を投げかけます。

 「学校教育が学校の中で完結せず、家庭に持ち帰るために必要になるのが、あの大きなランドセルなのでは」と語る福嶋さん。ランドセルを通して見える学校教育の課題を語ってくれました。

 ――少子化にもかかわらず、ランドセル市場が活況なようです。どう見ていますか?

 ランドセルは、公立中学校のかばんや制服のような「学校指定品」ではありません。

 それなのに、社会がランドセルを事実上の指定品にして、家庭が費用を負担し高額なものを子どもに買い与えることが当たり前になっている。「ラン活」が過熱することで、さらにそれに拍車がかからないでしょうか。

 ――業界団体のランドセル工業会の調査によると、平均購入金額は5万円を超えています。

 中学校の学校指定の通学かばんだと、7千~8千円くらいで、たくさんものが入って3年間使えますよね。それに比べると、ランドセルはやはり高いと感じます。

 ――義務ではなくても、やはり親としてランドセルを買わなければと思ってしまいます。

 ランドセルは新入学の象徴に…

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