移動スーパー続々「買い物弱者」を救う ノウハウ提供するビジネスも
坂井俊彦
近所に店がない「買い物弱者」に商品を届ける移動スーパーのサービスが、埼玉県内で広がっている。火付け役は、流通業の新潮流として全国展開する企業。新型コロナ対策の国の財源に目をつけた自治体の推進策も、追い風になっている。
3月末、本庄市児玉地区の中山間地域で「移動スーパーとくし丸」と書かれた軽トラックが走り始めた。中堅スーパー、ベルク(本社・鶴ケ島市)の七本木店にある生鮮食品から日用品まで約500品目を車に積み、1日20軒をまわる。訪問は週に2回。各商品とも、店頭の販売価格より10円上乗せしている。
軽トラックを運転して個人宅まで配送するのは、本庄市に住む熊田直広さん(62)。東京電力の社員として検針や集金の業務で地域をまわっていた経験を買われた。熊田さんは、個人事業主としてベルクと業務委託契約を結ぶ。
3月、熊田さんがテスト販売で地域をまわると、桜井典子さん(71)の自宅前に5人が集まった。週に2回、車で片道20分かけてスーパーに通っている桜井さんは「刺し身やおすしもある。助かります」と歓迎した。
サービス開始のきっかけは…
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