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助産師になりませんか 医師が私財で奨学金「地域のお産を守りたい」

有料会員記事

下地毅
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 【和歌山助産師をめざす人に大学の入学金と4年間の授業料を贈る奨学金ができた。ひとりの医師が返済不要のものとしてつくった。地域のお産を守るという思いと助産師への賛歌から私財を投じることにした。(下地毅)

 奨学金による助産師育成の「有田圏域10年プロジェクト」を始めたのは、有田市立病院の産婦人科部長をつとめる平野開士(はるひと)さん(49)。島根県浜田市の出身で昨年12月7日に着任した。

 有田市立病院は医師の退職で2019年12月からお産を受けいれていなかった。平野さんを招いて体制を立てなおし、2年4カ月ぶりのことし4月4日に赤ちゃんが産声をあげた。

 地域の周産期(お産)医療をすえながいものにしたいとプロジェクトを企てた。

 募集のおもな要項は次の通り。

 対象は助産学コースがある4年制の国公立大学・大学校。北海道の旭川医科大学から沖縄県看護大学までどこでもいい。4年間に必要な計約240万円を前期と後期ごとに振りこむ。「しっかりと学び、キャンパスライフで人生経験をつんで、おおきく成長してほしい」

 申請できるのは有田圏域(有田市・湯浅町・広川町・有田川町)の住民で高校3年生以上。浪人生でも仮面浪人でも社会人でも可。

 受け付けは5月31日まで。書類審査で7月7日に内定者を決める。「大学合格確定まえに決定するので受験勉強をがんばってください」。大学に不合格だったときは補欠の内定者にまわす。

 募集人数は、来年4月の入学予定者が対象のプロジェクト1年目と2年目は1人ずつ、3年目の2025年から2人ずつ。10年で18人の助産師を育てる。

 大学を中退したら支援を止めるが、それまでの奨学金の返還はもとめない。「中退も人生経験のひとつ。その経験をなにかに役立ててください」

 助産師としての就職先もどこでもいい。「人生の航路や生活の設計は変わりうる。『有田にもどる』という人を選考で優先することは絶対にありません。就職した地域の周産期医療を守ってください。ただし、ふるさとへの思いを忘れないでください」

     ◇

 願書は有田市立病院と4市町本庁舎に置いている。プロジェクトは平野さんの個人事業のため、各市町への問い合わせは控えてほしいという。かわりに、有田市立病院の代表(0737・82・2151)で正午から午後1時までと午後4時から午後5時までの各1時間、質問や相談を歓迎する。

間近に見てきた助産師の「すごさ」

 平野さんは島根医科大学(現…

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