チームスポーツ指導者は勘違いしたらあかん 脱スパルタの選手育成法

有料記事

聞き手・笠井正基 聞き手・照屋健
[PR]

 忌むべき体罰さえ、根強く残るチームスポーツの指導。「脱スパルタ」の進め方とは、変革のあり方とは。選手やチームを磨き育てるために、指導者は何が問われているのか。

考える習慣が「化学変化」を起こす 関西学院大学アメリカンフットボール部前監督・鳥内秀晃さん

 アメリカンフットボールは一つ一つのプレーにサインが出て、選手の役割が決まっています。ただ、監督が指示できるのはサインの段階まで。プレーが始まったら、選手はサイン通りに動くだけでなく、状況に応じた判断力や対応力が求められます。

 チームスポーツで、そうした能力を、どう高めたらいいのか? 自分から意見やアイデアを出せる選手は勝手に育っていく、というのが持論です。考えることによってプレーの幅が広がり、そんな「化学変化」が一人ひとりに起これば、強いチームになる。これは、サッカーやラグビーバスケットボールなども同じやと思います。

 コーチ留学した本場のアメリカでは、選手の自己アピールがすごかった。チャンスくれや、と。対照的に、母校の関西学院大を指導するようになった当初は、自分からは動かない指示待ちの選手が多かった。怒られるからやっている、負けてもしゃあないと見えて、「好きでやってるんちゃうんか」と。私も上から目線で教えすぎて駄目でした。コミュニケーションを省き、選手に考える機会を持たせていなかったんです。

 ミーティングの時、選手は必ずしも理解していないのに何でも「はい」と答える文化があります。これは、教育の影響やと思います。先生から一方的に教わるだけで、考える習慣を身につけていない選手が多い。指導者は、本当に分かっているかを見極めないとあかん。みんなに伝えたつもりでも、一人ひとりが内容を理解しているかと。

関学大アメフト部を長年率いた鳥内秀晃さん。「指示待ち」の文化を変えるために取り組んだ具体策を語ります。記事後半では、サッカー指導者の佐伯夕利子さんが、指導者にこそ「学び直し」が求められていることを指摘。さらに作家の堂場瞬一さんが、デジタル時代の指導者像を論じます。

 監督の時は、大学4年生にな…

この記事は有料記事です。残り2990文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。