埼玉県内に住むクルド人家族の苦難を描いた「マイスモールランド」(5月6日公開)で主演している。現在17歳。中学時代からモデルとして活動してきたが、本格的な演技は初めてだ。作品は日本の入管法に翻弄(ほんろう)される一家を、嵐が演じる長女サーリャが支える物語。今年のベルリン国際映画祭のジェネレーション部門で、アムネスティ国際映画賞特別表彰を受けた。
進学、アルバイト、恋心を寄せる同世代の男子との関係性……。作中のサーリャは、日本社会にある幾つもの「壁」にぶち当たる。嵐自身、日本生まれの日本育ちで埼玉県の出身だが、5カ国にルーツを持つ。
「今でも『どの国から来たの?』と言われますし、レストランで外国語のメニューを出されます。漢字、全然読めるんですけど」。作品にはアルバイト中のサーリャの日本語を、年配の女性がほめるシーンがある。「自分にも共通する葛藤でした。自然に演じられたと思う」
一方で、今作に出演するまで…