羽田から紋別、滞在30分のとんぼ返り 「タッチャー」が生んだ奇跡

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伊藤唯行
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 羽田と北海道の紋別を結ぶ航空便をとんぼ返りで利用する人たちがいる。その名も「タッチャー」。紋別での滞在時間はわずか30分ほど。日によっては搭乗者の半数を占め、コロナ禍でも搭乗率を引き上げる「奇跡」を起こしているという。「紋別タッチ」と呼ばれるこの現象。北の小さな空港で何が起きているのか。

連日空港で「お出迎え」

 10日正午過ぎ、北海道紋別市のオホーツク紋別空港へ羽田からの全日空機が到着する時刻が近づいてきた。すると送迎デッキには、「#紋別タッチ おかえり!」の看板を置き、青い大きな手の形をしたグッズを持つ人が。紋別セントラルホテル常務の田中夕貴さんと、紋別観光振興公社の工藤育子さんだ。

 工藤さんはアザラシをモチーフにした地元のマスコットキャラクター「紋太」のぬいぐるみも頭にかぶった。2人は連日、空港でタッチャーを出迎えている。

 ボーイング737型機が滑走路に降り立つと、2人は青い手形を大きく振る。「ほら、飛行機の窓を見て下さい」。いくつもの光が見えた。タッチャーがスマートフォンのライトを振って応えていた。

 飛行機から人々が降りてくると、2人は「おかえりなさーい」。タッチャーも大きく手を振り「ただいまー」。紋別空港にボーディングブリッジはなく、タラップから降りた彼らは地上を歩いてターミナルビルにやってくる。

 周辺の気温は5度。しかし20度の東京へとんぼ返りするからTシャツ姿のままだ。田中さんらと「1週間ぶりだね」「あれ? 2日連続で来たの」などと声を交わす。

 紋別の定期便は、1日1往復の全日空の羽田便だけ。今の時期は午後0時半に到着し、午後1時10分に出発する。

 その滞在は慌ただしい。まず観光公社のカウンターでカードにスタンプを押してもらう。5個でシルバー、10個でゴールドの特製ステッカーがもらえる。

 カウンター奥のランキングボ…

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