自民党が提言する「反撃能力」とは何か 必要な装備は?攻撃対象は?
自民党が敵のミサイル拠点などをたたく「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」という名前に変えて、自衛隊が保有するよう政府に提言することを決めました。岸田文雄首相も保有に前向きとされます。日本は憲法9条に基づき、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使する「専守防衛」を基本方針に掲げています。敵の攻撃を受ける前に、相手国の領土内を攻撃することは可能なのでしょうか。なぜ、こうした能力を持とうとするのでしょうか。
Q そもそも「敵基地攻撃能力」とは何?
読んで字のごとく、相手の国の基地を攻撃できる能力です。敵のミサイル発射拠点をたたく能力を備えることで、日本への攻撃をちゅうちょさせる「抑止」を図る狙いもあります。
敵基地への攻撃は一定条件でOK
Q 日本は国を守る基本方針として「専守防衛」を掲げているよね。
2021年版防衛白書では、「基本政策」という項目で「わが国は、憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念に従い、日米安保体制を堅持するとともに、文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備してきている」と記しています。
そのうえで「専守防衛」について、「相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいう」としています。
Q 相手国の領域内で武力を行使する「敵基地攻撃能力」は、戦争の放棄を掲げる憲法や、専守防衛の考え方に合っているのかな?
政府の見解は、ある一定の条件では、憲法違反ではないというものです。
Q その条件とは?
1956年に当時の鳩山一郎内閣での首相答弁が示しています。
「我が国に急迫不正の侵害が行われ、その手段として誘導弾等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とはどうしても考えられない。必要最小限の措置をとること、例えば他に手段がないと認められる限り誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれる」
つまり、相手が今にもミサイ…
【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら