モダニズム建築と向き合うには 改修工事不調、解体されるケースも

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紙谷あかり、藤家秀一
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 建物は古くなれば、建て替えたり取り壊したりする。でも建築家が手がけたものとなると、そう簡単にはいかない。合理性や機能性を追求して設計されたモダニズム建築の今を見た。

 四国の玄関、高松市。中心部にある香川県庁を訪れると、重厚な建物が目に入った。

 県庁東館。梁(はり)や柱が張り出した鉄筋コンクリート造り。建てるときに日本の伝統建築らしさを醸し出すように工夫されたという。

 内部に壁や柱がない。階段やエレベーター、トイレなどがフロアの真ん中に意図的に集められている。フロア全体を自由に使える構造が、全国の庁舎建築の模範と評価されている。

丹下の初期の代表作

 何を隠そう、設計したのは戦後を代表する建築家の丹下健三(1913~2005)だ。丹下の初期の代表作といわれる。

 完成したのは58年。しかし、2011年から1年がかりで県が調べたところ、耐震不足ながらもコンクリートの劣化は少なかった。

 県の有識者会議は「非常に高い文化的価値がある」と評価し、保存を求めた。

 県は17~19年、外観や内部空間を維持したうえで耐震改修を実施。庁舎の下に免震装置を設けた。

 今年2月には国の重要文化財に指定された。戦後に建てられた庁舎が指定されるのは、全国初となった。

 県財産経営課の担当者は「県の判断で手は入れられず、修繕が必要になれば文化庁と協議したうえで決める」と話す。県庁としての機能が難しくなっても、建物を残すのが前提になりそうだ。

 一方、同じく丹下が設計した旧香川県立体育館(64年)の先行きは見えない。

古くなっていくモダニズム建築とどう向き合えばいいでしょうか。記事後半では、学識経験者の見解などを紹介します。

 独特な形の屋根が和船のよう…

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