ロックスターが障害負った軍人を撮る意味 ブライアン・アダムス語る
定塚遼
数多くの世界的ヒット曲を生み出してきた、カナダ出身のミュージシャン、ブライアン・アダムス。3年ぶりに発売した新アルバムのタイトルは「ソー・ハッピー・イット・ハーツ」。朝日新聞の単独インタビューに応じたブライアンは「笑いすぎておなかが痛い」というほどの意味だと説明する。困難な時代において、やせ我慢や強がりにも思えるこのタイトルだが、そこにはブライアンの音楽への信念が投影されている。
次の日本公演のめどについて明かしたほか、暗い時代における音楽の意味、転機となった武道館公演、写真家としてイラク・アフガニスタンの戦争で手や足を失った退役軍人を撮った意味などを語った。
「クラプトンを追い越さないと」 武道館公演であった転機
新型コロナ禍でのポップ音楽シーンには、時代の気分を投影するようなメランコリックなものや、内省的な感情を吐露する作品があふれた。ブライアン自身も昨年11月にコロナに感染した。そんな中、ブライアンが投じた3年ぶりの新作は、肯定のエネルギーが横溢(おういつ)する、目の覚めるようなストレートなロックンロールだった。
「暗い時代というのはこれま…