「モヤモヤさせるのが目標」 復帰50年の沖縄、見て聞いて考える
今年の5月15日で、沖縄が日本に復帰して50年になる。半世紀の節目、各地の教育現場で「沖縄」を取り上げる動きが出ている。復帰で何が変わり、変わっていないのか。米軍基地の問題にどう向き合えばいいのか――。東京と沖縄で、学びの現場を取材した。
「基地問題は、メリット、デメリットで語れないもどかしさがあった」
2月中旬、パソコンの画面の中で、中央大学付属高校(東京都小金井市)の2年の女子生徒が話していた。2年生26人が参加したのは、校内向けのオンライン発表会。付属中の3年と高校の1~3年の生徒らが聞く中、沖縄の経済状況や日米地位協定の内容など学んだことをポスターにまとめ、1人15分ずつ語った。
同校では、4年前から沖縄でのフィールドワークを続けている。26人は昨年12月、沖縄を訪れた。ひめゆり平和祈念資料館などを訪問したほか、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)や移設工事が進む名護市辺野古で、移設容認派、反対派それぞれの住民の話を聞いた。
反対派の人が、米軍基地で働き口を見つけた近所の人に「おめでとう」と声をかけたという話をしてくれた。実家の軍用地料収入があるから大学で学べていると明かす、基地反対の大学生もいた。「二項対立じゃ語れない」「沖縄だけの問題だと思ってたけど違うよね」。「最終的に決めるのは政治だけど、政治をする人を決めるのは国民。基地問題は私たちにも責任があるのでは」。生徒は東京に戻ってからも感じたことを話し合った。
「生徒にモヤモヤさせるのが…