Uターンにつながる? 真庭市が156ページの「魅力本」

礒部修作
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 【岡山】子どもたちにふるさとへの愛着と誇りを持ってもらおうと、真庭市教育委員会が今月、市内の魅力を詰め込んだ冊子「まにわブックス」の発刊を発表した。市内の小中高校と図書館に配布したほか、市のホームページからダウンロードもできる。市民の流出の歯止めやUターンの一助になればと期待をかけている。

 冊子はA4判で156ページ。「歴史・文化」「自然」「産業」の3分野で、市内の魅力を詳しく説明している。

 自然分野では、樹齢1千年と言われる「醍醐桜」の名前の由来が二つあることを紹介。それによると、鎌倉幕府を倒そうとして失敗し、隠岐に流刑となった後醍醐天皇が登場するところまでは共通する。

 一方は、後醍醐天皇が市に立ち寄ったとき、最上を意味する「醍醐である」と桜の美しさを称賛した言葉を由来とする遷幸説。もう一つは島を脱出した後、この桜に感動したという還幸説だ。

 歴史・文化分野では、市役所近くにある国の重要文化財「旧遷喬(せんきょう)尋常小学校」を解説。1907(明治40)年に落成した校舎は、当時の町の年間予算の3倍近い工事費約1万8千円で建設された。校舎のデザインは完全なシンメトリー(左右対称)でつくられている。

 産業分野では、高原が数十万年前は湖だったという蒜山を紹介。戦後に飼育が始まったジャージー牛は54年、現在のJR姫新線の中国勝山駅まで汽車で運ばれたという。

 冊子の編集を担ったのは、現役教員やOBら12人による市民ボランティア「まにわブックス編集委員会」。2016年から続けてきた。作成のきっかけは、今の高校生たちが地元の真庭市のことをあまり知っていないと感じたからだという。

 市の人口は現在、約4万3千人。過去5年間で4千人近く減った。

 市教委生涯学習課によると、若者が高校卒業後、市外に流出する傾向があるという。担当者は「将来、愛着のある市にUターンしてもらい、定住につながれば」とまにわブックスに期待をかけている。

 冊子は生涯学習課で千円で頒布しているほか、市のホームページからPDFをダウンロードできる。問い合わせは同課(0867・42・1094)へ。(礒部修作)