第3回消滅の危機に瀕する沖縄独自の言葉 作家の朝井まかてさんが思うこと

有料会員記事沖縄・本土復帰50年

上原佳久、真野啓太
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 「うちなーぐち 県ぬ第2公用語んかい さだみてぃ くぃみそーり」

 3月下旬、沖縄市の市民団体が沖縄県庁を訪れ、主に那覇市など沖縄島中南部で話される「うちなーぐち」を第2公用語とする条例をつくるよう、県に要請した。

【第2回】「ちゅらさん」から「ちむどんどん」へ 沖縄ことば担当者のこだわり

沖縄の本土復帰から、今年で50年。沖縄と本土の関係性の変容とその行方を、さまざまな形で「しまくとぅば」(しまことば)に関わる人びとの姿から考える連載の第3回です。

 沖縄の伝統的な言葉を継承しようという取り組みの一環だが、このニュースが流れると、ネット上では反発の声もあがった。沖縄の「しまくとぅば(しまことば)」は、村落ごとに独自の言葉が伝わるとも言われるほど多様性があるからだ。

 沖縄県内で話される言葉のうち、大きく分けて五つ(沖縄、宮古、八重山など)が、国連教育科学文化機関ユネスコ)によって2009年、消滅の危機にあると指定されている。

 沖縄県は13年度に「しまくとぅば普及推進計画」をつくり、話者を増やす取り組みを始めたが、20年度の県の調査ではしまくとぅばを「よくわかる」と答えた人は約19%。若い世代ほど、話すのも聞くのも難しくなっている現状がある。

筆名は沖縄出身の亡き祖母から

 大阪市在住の直木賞作家、朝井まかてさん(62)の自宅を訪ねると、ふせんがびっしりと貼られた分厚い本が机上にあった。琉球の古歌謡集「おもろさうし」の研究書だ。

 朝井さんはいま、琉球を舞台に、古いしまくとぅばも取り入れた歴史小説の執筆に取り組んでいる。

 筆名の「まかて」は沖縄出身の亡き祖母の名をもらった。作家になり、親族を沖縄に訪ねると、祖母の父である曽祖父にまつわる話を聞かされた。

 琉球王国に仕える士族の家柄…

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