ウクライナ支援に力、小千谷の原点に中越地震

ウクライナ情勢

白石和之 宮坂知樹
[PR]

 ロシア軍の侵攻が続くウクライナからの避難者を支援しようと、新潟県小千谷市が取り組みに力を入れている。18年前の中越地震の際、多くの市民が支えられた避難生活の経験が原点にあるといい、避難者の受け入れに向けてふるさと納税を活用した募金も始めた。県内ではほかに10市も受け入れを表明。支援の輪が広がっている。

     ◇

 小千谷市は3月、来日する避難者を受け入れる考えを表明した。連携して支援するため、市内の経済団体や国際交流団体などが「おぢや避難民支援の会」を立ち上げた。

 5~10世帯の計15~30人を想定し、教職員住宅と市営住宅の空き室18戸を確保。就労先として技能実習で実績のある3社から協力を取り付け、市内の学校も日本語指導員を活用して就学に備える。会には、ウクライナの都市ドニプロから近隣国に避難している夫婦から「受け入れは可能か」と問い合わせがあり、相談に乗っているという。

 小千谷市では2004年の中越地震で、3万人の市民が避難生活を強いられた。鈴木秀信会長は「全国から支援をいただいた。その経験から、困っている人がいたら国内外を問わず受け入れるんだ、という気持ちが市民にある」と話す。

 集まった寄付金は、受け入れた避難者の家賃や光熱費、食料や日用品など必需品の費用に充てる。受け入れがなかった場合は避難者の支援にあたる日本赤十字社などに寄付する。

 大塚昇一市長は20日の記者会見で、市の「非核平和都市宣言」から30年を迎えたことを受け、「市民一人ひとりが平和達成のために努力することを誓っている。市民だけでなく全国の幅広い人に発信していくためにも、ふるさと納税制度は有効な手段だと考えた」と語った。

 募金は1口1千円からで、「ふるさとチョイス」や「楽天ふるさと納税」などのポータルサイトか、寄付申込書で受け付けている。5月31日まで。返礼品はない。(白石和之)

     ◇

 県内で避難者の受け入れを表明したのは、小千谷市のほか、新潟▽長岡▽上越▽三条▽新発田▽村上▽燕▽糸魚川▽妙高▽南魚沼の各市。県、市の公営住宅や教員住宅、県職員住宅の計210戸を確保している。社員寮や就労先を提供したいという申し出も、民間の数社から寄せられているという。

 県内に住むウクライナ国籍の人は10人(昨年6月末時点)おり、県が市町村を通じて家族の受け入れ希望などの確認を進めている。受け入れた避難者は今のところいないという。

 今後、行政手続きなどでサポートが必要になることを想定し、県国際交流協会は、ロシア語やウクライナ語通訳のボランティアを募集。ロシア語を話せる15人が応じた。現在もホームページ(https://www.niigata-ia.or.jp/別ウインドウで開きます)で受け付けている。問い合わせは同協会(025・290・5650)へ。(宮坂知樹)