連夜響く砲撃音、最新兵器も 全国に広がる米軍訓練、かすむ負担軽減

有料会員記事沖縄・本土復帰50年

高嶋健、白石昌幸、倉富竜太 藤原慎一
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 陸上自衛隊日出生台(ひじうだい)演習場(大分県)で今月、在沖米海兵隊による過去最大規模の訓練が実施されている。「沖縄県道104号越え実弾射撃訓練」の本土移転の一環だが、25年が経って急速に変容し、地元に不信が広がる。目的だった沖縄での負担軽減も内実は乏しく、名目と米軍戦略とのずれが顕著になっている。

 暗い夜空に突然、照明弾のまばゆい光が輝いた。浮かび上がった草原に、「ダン」と155ミリ榴弾(りゅうだん)砲の砲撃音が響き、10秒ほど後に「ドーン」という着弾の轟音(ごうおん)が山々にこだまする。「ダン、ダン、ダン」と連続して発射されることもあり、そのたびに着弾音が「ドーン、ドーン」と暗闇を震わす。訓練初日の16日、終了を告げるサイレンが鳴り響いたのは午後8時57分だった。

 大分県の山間部、由布市玖珠町九重町にまたがる陸上自衛隊日出生台(ひじうだい)演習場で行われている在沖縄米海兵隊の実弾射撃訓練。今回で15回目で、今月16~27日の日程で行われている。

 元々は沖縄県で行われていた訓練を本土へ移転したものだった。沖縄では1972年の日本復帰後も、米軍が県道104号を通行止めにして実弾射撃訓練を続けていることが問題化。97年以降、この訓練が日出生台、東富士(静岡県)、北富士(山梨県)、王城寺原(宮城県)、矢臼別(北海道)の本土5カ所の陸自演習場に分散移転された。

 日出生台で始まったのは98年度から。冬期の実弾射撃訓練は、県と地元3市町の要望を受け入れた自衛隊が「午後8時まで」としていたことを踏まえ、防衛省九州防衛局が米軍使用時も米側と調整して「可能な限り射撃時間が短縮されるよう努める」との確認書を地元自治体と交わしていた。

過去最大規模、最新鋭「HIMARS」も持ち込み

 それが近年、信頼関係が揺らいでいる。

 2020年の前回訓練では、米軍は午後8時以降の射撃を5日間繰り返し、広瀬勝貞知事が防衛省に抗議した。

 今回は初めて、従来1~3月…

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