26人乗せた知床の観光船、夜通し捜索続く 船は過去2度の事故歴

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【動画】観光遊覧船から「浸水した」と通報があった海域。海上保安庁の捜索が続いた=熊倉隆広撮影
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 23日午後1時13分ごろ、北海道斜里町知床半島西部沖を航行中の観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が「浸水している」と、救助を要請する118番通報があった。第1管区海上保安本部小樽市)によると、乗っていたのは子ども2人を含む乗客24人と乗員2人の計26人。海上保安庁巡視船艇7隻や航空機5機などが現場に向かい、同日午後4時半から捜索を始めたが、24日午前0時現在、船体は確認できず、乗員・乗客は見つかっていないという。

 船は斜里町の「知床遊覧船」が運航する小型観光船で定員は65人。斜里町ウトロ地区を出航し、世界遺産・知床半島の断崖の滝やヒグマ、オジロワシなどの野生動物を観察する計3時間のツアーの最中だった。

 同本部によると、118番通報時は知床半島西部の「カシュニの滝」の沖合を航行していた。約5分後にカズワンの乗組員からあった118番通報では、「カシュニ滝のすぐそば」「船首が浸水している」「エンジンが使えない」などの報告があったという。その後、「船体が30度傾いた」という情報が同社に入ったという。

 同本部は23日午後7時40分、航空自衛隊に災害派遣を要請。捜索は夜通し実施する。国土交通省は同日夜に対策本部会議を開催。斉藤鉄夫国交相は同省海事局に対し、今回の事業者に対する監査を早急に実施するよう指示した。24日朝に現地対策本部の要員を派遣するという。熊本市を訪問中だった岸田文雄首相は23日夜、当初の日程を切り上げ、自衛隊機で東京へ戻った。記者団から事故の状況を問われた首相は「今、確認中だ」と述べた。

 札幌管区気象台によると、斜里町ウトロ地区の気温は23日午後1時時点で5・8度。気象台の予測では、同時点の周辺の海水温は2~3度とみられるという。北海道開発局によると、波の高さは1・9メートルだったが、午後1時半時点で約3メートルに上昇した。気象台は当時、強風・波浪注意報を出していた。

 国交省によると、カズワンは昨年6月11日にも航行中に座礁。自力で港に戻るトラブルを起こしている。事故当時、乗客乗組員23人が乗船していたが、けがはなかったという。同年5月には浮遊物に衝突する事故を起こしている。

 知床半島近海では2005年6月、別の会社の観光船が岩に乗り上げ、20人以上が重軽傷を負う事故があった。

 知床は05年に世界自然遺産

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