その動画は、削除されても削除されても、投稿が繰り返された。
新型コロナウイルスの感染拡大により、都市封鎖(ロックダウン)が続く中国・上海で、市民が強いられている窮状を伝える6分間の動画。4月22日から中国のSNS上で広まったが、現在は見られなくなっている。
動画のタイトルは、「四月の声」。ドローン(無人機)を使って撮った上海の街並みとみられる風景をバックに、困窮ぶりを訴える市民や混乱した政府関係者の声が流れる。これまでネット上で話題になり、関心を集めたロックダウン中のものとされる会話などがまとめられている。
厳格な行動規制で感染を封じ込めようとする「ゼロコロナ」政策を維持してきた中国政府への直接的な批判ではない。それでも、ロックダウンをめぐる混乱が広く共有されることに神経をとがらせてきた当局にとって、好ましくないと判断された模様だ。
「ロックダウンはしない」と言明していた
上海で市域を東西に分けた2段階のロックダウンが始まったのは、3月28日だった。その直前まで、当局はロックダウンをしないと言明していた。
動画の冒頭には、上海市政府が3月15日に開いた会見の音声が使われている。
「現在、上海はロックダウンをしていない。ロックダウンの必要もない」
次に聞こえてくるのは、3月…
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