第15回連載「いま先生は」に反響多数 「教員つぶれる」教頭が抱く危機感

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高浜行人
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 教員の勤務と私生活の線引きがあいまいになっている。そんな実態を、学校の働き方を考える「いま先生は」の連載第2部で取り上げました。3月末に掲載した5回の記事に、現役教員や保護者らから約150通の意見や感想が寄せられました。一部を紹介します。

 東京都立高校の50代女性教諭は、連載に登場した、産休中に学校で採点作業をした女性教諭について「子育て時代を思い出した」との感想を寄せた。

 20年ほど前に自身が産休に入る際、休業中に定期試験の採点や成績処理などをするよう管理職から頼まれたという。医師から静養を指示されていたため断ったが、復帰後も保育園のお迎えで早く帰る分、土日の出勤を求められるなど余裕のない日々だった。「苦い思い出がよみがえった」という。

 いま、当時よりさらに仕事が増え、職場全体に余裕がなくなっていると感じる。雰囲気を感じ取ってか、小さい子がいる教員が仕事を肩代わりする別の教員に「申し訳ない」と口にすることも少なくない。女性は都度、「いずれ他の人の仕事を引き受けられるようになる」と伝えているが、より気に病むことなく助け合える職場をつくりたいとの思いがある。「子育て中の教員の帰る時間に配慮したり、相談に乗ったり、まずは自分の行動を変えたい」と話す。

通知表の簡略化、欠席連絡オンライン化……教頭の挑戦

 管理職からの反響もあった。「(勤務校を)地域の働き方改革先進校にすることを目指しています」などと記したのは、千葉県の公立小学校の40代男性教頭。連載の初回で取り上げた、女性教諭が勤務時間の記録を管理職に少なく書き換えられたという話について「『早く帰れ』というだけでなく、仕事を減らすのが管理職の仕事」と話す。

勤務時間の改ざん、残業は月100時間超……。教員の働き方の実態を明らかにした連載「いま先生は」に、多くの現役教員が同様の体験や改善策などを寄せてくれました。記事の後半では、ある教頭の取り組みや、「つらいばかりの仕事ではない」という前向きな声も紹介しています。

 これまで、通知表の所見欄や…

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    小室淑恵
    (株式会社ワーク・ライフバランス社長)
    2022年4月27日14時45分 投稿
    【視点】

    教員は現在、年間5000人を超える休職者が出ています。なぜこれほどに教員の長時間労働が見直されないか、という原因の一つに「給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)」があります。教員は給与の4%を払えば残業代全額払

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連載いま先生は(全22回)

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