知床半島は「航空救助の難所」 最も近い海保基地からも160キロ
【動画】浸水した観光船の捜索が続く=熊倉隆広撮影
知床半島沖で連絡がとれなくなった観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の捜索は、24日も続いた。現場は「地の果て」とも称される秘境。近くに海上保安庁の航空基地がなく、当初から捜索は難航していた。
「浸水した」との通報が第1管区海上保安本部(北海道小樽市)に最初に届いたのは、23日午後1時13分だった。知床半島は、オホーツク海に突き出した長さ約70キロの細長い半島だ。船から通報があった「カシュニの滝」付近は、半島先端の知床岬から約15キロ。周辺は道路が未整備な場所も多く、携帯電話もつながりにくいという。
海難救助の場合、機動力のある航空機やヘリコプターが最初に現場に到着するのが一般的だ。しかし今回、最も近い海保の釧路航空基地でも、南へ約160キロ離れている。当時、同基地所属のヘリは通常の哨戒でフライト中で、いったん基地へ戻って給油。釧路海上保安部の潜水士2人が捜索に必要な装備を持って搭乗し、出発した。現場に到着して捜索を始めたのは、通報から3時間超がたった午後4時半ごろだった。
さらに約330キロ離れた千…
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