敦賀の魚介、魅力をアゲる 料理人の枠を飛び出した漁師の天ぷら屋台

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佐藤常敬
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 桜も終わり、新緑が気持ち良くなった4月下旬の休日。港に近い旧市街地・福井県敦賀市相生町の「博物館通り」は、家族連れやカップルでにぎわっていた。中でも、一角にある空き地のテント前は人が絶えなかった。漁師の石川恵(さとし)さん(36)が商う天ぷら屋台「ふぐや五良左エ門(ごろうざえもん)」だ。

 キャンプ用テント2張りをつなげた屋台から客が運ぶ皿には、揚げたての敦賀ふぐ、敦賀真鯛(まだい)、地タコ、黒河シイタケなどの天ぷらがはみ出すほど盛られていた。口に運んだ客は、みんな顔をほころばせた。敦賀の海で捕れた魚がこんなにおいしく味わえるのかと、驚いた様子だった。

 海から遠い北海道清水町の出身。5人兄弟の四男で、小さい頃から工作の授業が好きだった、という。おにぎりや卵焼きなどの料理を作ると家族に喜ばれたのがうれしく、高校卒業後は大阪の調理師学校へ。その後、大阪や京都のフレンチレストランなどで15年近く働いた。

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