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変異の可能性「ほぼ無限」 新型コロナとの競争に先回りは可能なのか

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聞き手・瀬川茂子、竹野内崇宏
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 次々と登場する新型コロナの変異ウイルスに社会が大きく揺さぶられ続けている。先回りして変異を予測はできないのか。ウイルスのゲノム(遺伝情報)解析に詳しい東海大の中川草・准教授に聞いた。

――新型コロナウイルスの感染流行は収まったかと思うと次の山(波)がきて、変異ウイルスの出現も続いています。

 流行の波は毎回、別の変異ウイルスによってもたらされています。

 ウイルスが残るには遺伝情報のコピーを繰り返していくしかないので、その間に(コピーミスの)変異が生じていく。新型コロナウイルスは、だいたい1カ月に(遺伝情報を構成する塩基で)二つの変異が蓄積されていきます。

 ウイルスは同じ遺伝情報を保っていられず、変化し続けているのです。今の新型コロナウイルスは2年前の新型コロナと配列も性質も違います。今後も残念ながら変わっていきます。

――次に流行する変異ウイルスを予測できますか。

 難しいです。

 新型コロナの塩基配列は約3万で、(塩基は4種類あるので)その組み合わせは4の3万乗となり、また塩基の挿入や欠失などもあり、新型コロナウイルスの変異の組み合わせはほぼ無限です。

 いままでの知見で、懸念されるバリアント(変異ウイルス)には共有する変異が存在することが分かりました。しかし、そのような変異も組み合わせによって効果が変化することもあり、単純に変異の有無のみで、次に流行するウイルスを予測することは困難なことが多いです。

 懸念されるバリアントが出現したと推定するには、短期間にそのウイルスが広がったというデータが重要との知見が出ていますが、その情報をとることも難しいです。

 ゲノム解析データはどうしても先進国の情報に偏っています。実は、見えていないところでバリアントが広がっているかもしれません。

 もう一つ今後気をつけないといけないことは、動物由来のバリアントです。

 香港で、ハムスター由来の新型コロナウイルスが流行した可能性があり、北米では野生のシカで新型コロナウイルスが流行していて、それがヒトへ感染する可能性が指摘されています。

――世界中で流行した変異ウイルス「オミクロン株」の起源もよくわかっていませんね。

 起源についてはいろいろな議論がありますが、主に三つの仮説があります。

 ①免疫不全患者の体内での持…

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