「母の日」に募る亡き母への手紙 14歳だった大学生が伝えたいこと

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篠健一郎
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 街にカーネーションがあふれ、SNSに母親への感謝の言葉が飛び交う5月の第2日曜の「母の日」(今年は5月8日)。しかし、母親を亡くした人たちにとっては、いや応なしにその死を再認識させられる日でもある。

 母の日にしんどさを感じてきた20歳の大学生が、亡き母に宛てた手紙をオンライン上で展示する「死んだ母の日展」を開いている。

 亡くなった人へのメッセージや思い出の写真をオンライン上で共有し、追悼するサービスを運営している学生ベンチャー「むじょう」(東京)メンバーの中澤希公(きく)さんが企画した。

 中澤さんは中学3年のとき、母親を乳がんで亡くした。以来、毎年の母の日は、母親の死を強く実感させられる日になった。

 仏壇にカーネーションを供えた年もあったが、そこに母親はいない。SNSを開くと、母親に花を送ったり、料理を作ったりする写真が目に入った。「ありがとう」を伝えられる母親がいる友だちがうらやましい。独りぼっちのような気持ちになった。

 幼い頃は甘えん坊で、何をするにも母親と一緒だった。2歳のとき、母親が習っていたクラシックバレエを始めた。

 「ママ」

 「きくちゃん」

 そう呼び合い、一緒にディズニーランドに行ったり、洋服を買いに行ったり。まるで姉妹のようだった。

 発病後、母親は入退院を繰り返し、闘病生活は約8年に及んだ。中学生になると、「母親がいつか死ぬかもしれない」という状況を理解できるようになった。だが、信じたくない気持ちもあった。

 別れは、14歳で訪れた…

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    辻外記子
    (朝日新聞編集委員=医療、健康)
    2022年5月3日12時31分 投稿
    【視点】

    この記事で紹介されている活動は、多くの人の支えや救いになっていると感じます。少し前に、がん治療中の親を支え、子どもたちとよい時間を過ごしてもらおうとするNPOの活動を取材したことを思い出します。治療の副作用で思うように子と遊べなくなることも

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2022年5月3日9時6分 投稿
    【視点】

    亡くなった人へのメッセージや思い出の写真をオンライン上で共有して追悼する学生ベンチャーがあることをこの記事で知りました。悲しみを乗り越えて同じ立場の人のために活動をする中沢さんをお母様もどんなに誇りに思っていることでしょう。夫の両親を含め親