脇役だったガンバが主人公になったわけ 「冒険者たち」50周年

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聞き手・石川春菜
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 ドブネズミのガンバたちの活躍を描く「ガンバの冒険」シリーズ。ガンバが主人公になった「冒険者たち」の出版から、今年で50年を迎えます。1作目ではシマリスの案内役として登場したガンバが、どう生まれ、なぜ主人公になったのか。著者の斎藤惇夫さんに聞きました。

 「冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間」(1972年)台所の床下の貯蔵穴で暮らす町のドブネズミ・ガンバは、友達のマンプクに誘われて海を見に行く。そこで出会った傷だらけのネズミから、イタチの「ノロイ一族」と戦う島ネズミの話を聞いた。彼らを助けるため、ガンバは15匹の個性あふれる仲間とともに夢見が島へ渡る。

偶然の出会いに導かれて

 「ガンバ」が生まれたのは、デビュー作の「グリックの冒険」を書いている時のことです。

 当時26歳だった私は、福音館書店の編集者として働いていたのですが、何か心が満たされないと感じていました。書くことで癒やされる「何か」を求めて、どうしても書かないと死んでしまう、という衝動がありました。

 「ふるさとに帰りたい」という思いもあり、以前、飼っていたシマリスが逃げ出したことから着想して、シマリスのグリックが東京から私の故郷の新潟へ向かう、という物語の構想が生まれました。仕事に支障が出ないように、一晩につき原稿用紙6枚のペースで書き進めました。

 さて、どうやってグリックの物語を先に進めよう、と考えていた頃のこと。通勤途中、大きな道路を渡ろうとした時に、1匹の大きなドブネズミが道路へ飛び出してきました。

 「危ない! ひき殺される!…

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