温泉施設3カ所、無償譲渡します 10年継続条件に都城市が公募

中島健
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 宮崎県都城市は、三つの市有温泉施設を民間に無償譲渡する方針を固め、18日から事業者の公募を始めた。施設は計7億円を超す不動産評価額だが、開業から20年前後が過ぎ、利用者が減少する中、今後発生する負担を考えたという。譲渡はいずれも来年4月1日で、10年間は日帰り温泉を継続することなどを条件にしている。

 市みやこんじょPR課によると、現在、五つの温泉施設を第三セクター「都城ぼんち地域振興」が指定管理者として運営。だが、老朽化やニーズの変化で全体の利用者は減少傾向にある。新型コロナウイルス禍もあり、近年は収益の不足を市からの指定管理料で穴埋めする状況という。

 市はこのうち、「青井岳荘」(都城市山之口町)、「やまだ温泉」(同市山田町)、「ラスパたかざき」(同市高崎町)の譲渡を計画。3施設は今後10年間に設備更新や修繕などで16億3千万円が必要になる見込みで、指定管理料も含め24億2900万円の市の負担を見込む。

 市は市民サービスを維持するため施設の存続を検討。昨秋、福祉事業者や宿泊・旅行事業者などにアイデアを聞く市場調査を実施し、民間活用の可能性があると判断した。

 譲渡にあたり、温泉施設や設備のほか、やまだ温泉以外は源泉の採取・利用権も無償で譲る。土地は10年間、無償で貸し付ける。従業員の継続雇用や地元からの採用への配慮も求め、料金の改定は、市との協議を求める。

 申込期限は5月27日。企画案のプレゼンテーションなどを経て、7月に譲渡予定者を決める計画だ。事業者が決まらない場合は指定管理者による運営を継続する。

 3施設はいずれも住民や観光客に親しまれてきた。2003年開業の青井岳荘は都城市外からの利用者が多く、ピークの16年度には延べ27万4千人が利用したが、19年度には23万7千人に減った。温泉や宿泊施設がある青井岳荘のほか、研修室などがある「青井岳会館」、キャンプ場なども譲渡対象となる。

 やまだ温泉は1995年の開業。07年度は15万8千人が利用したが、近年は10万人台で推移している。ラスパたかざきは98年開業。07年度の利用者16万人から19年度には10万1千人まで減少した。(中島健)