記述式問題を増やす方針 来春の県立校入試 選択式増から一転

藤田大道
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 茨城県教育委員会は25日、来春の県立学校入試で記述式の問題を増やす方針を明らかにした。今春の入試では、過去2年間に相次いで見つかった採点ミスの防止のため、記述式の問題を大幅に減らしていた。記述式を再び増やすのに合わせて、記号を選んで答える問題などの採点に、文字認識システムを導入することを検討する。

 県立高校、中学・中等教育学校の入試をめぐっては、昨春の合格発表後に採点ミスが発覚。2年分の入試を再点検したところ、約1千件のミスが見つかった。

 県教委は再発防止のため、今春の入試では、記号を選んで答える問題を大幅に増やし、特に国語と社会では記述して答える問題を大きく減らした。高校入試では国語の平均点が前年比14・4点増の78・05点となった。

 森作宜民(よしたみ)教育長は25日の定例記者会見で、選択式の出題を増やした経緯について、工夫しだいで新学習指導要領でも重視される「思考力・判断力・表現力」を十分に評価できると判断したと説明した。

 その一方で今春の入試で浮かんだ課題として、「(選択式の問題では)受験生の思考の過程や表現力を十分に問えない部分もあった」と分析。来春は再び記述式の問題を増やすと説明した。7月下旬をめどに中学校などに配布するリーフレットで、記述式の出題例を示し、周知する予定だ。

 文章を記述させる問題は採点に時間がかかるため、それ以外の解答の採点は教員の負担軽減を図る。解答用紙をスキャナーで読み取り、AI(人工知能)が文字データを判別して採点する手法を想定している。どの程度の範囲で導入するかは、今後検討するとしている。

 記述式の出題や採点のあり方については、教育現場でも、さまざまな受け止めがある。県教委によると、今春の高校入試後に中学校に調査をしたところ、学校の約74%が「記述式の問題が必要」と答えた。一方で、答案の採点を担当する高校側は約17%にとどまったという。

 森作教育長は「学校や教育委員会の中での議論を踏まえて、さらに改善が必要だと判断した」と理解を求めた。(藤田大道)